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介護業界のICT化とは?

介護業界のICT化とは?

ICTという言葉を聞く機会が増えてきたように感じますが、介護業界も少しずつICTを導入する施設が増えています。
少しアナログな傾向のある介護業界において、ICT化は今後の運営を大きく変化させると言っても過言ではありません。
今回は介護業界のICT化についてお話します。

そもそもICTとは?

ICTとは「Information and CommunicationTechnology」の略称で、訳すると「情報通信技術」となります。
ICTには、「Communication」という言葉が入っているように、情報処理+ネットワーク通信を利用した情報や知識の共有も含まれます。

★ちょっと豆知識
IoTやITとの違いとは?
ICTとともによく聞く単語にIoTやITがあります。
ICTとの違いとはなんでしょうか?

・ITとICTの違い
ITとは「Information Technology」の略称。訳すると「情報技術」となります。
ITとICTはほぼ同じ意味ですが、ITは「技術そのもの」を差し、ICTはそれに加え「情報通信技術の使い方」まで差します。

・IoTとICTの違い
IoTとは「Internet of Things」の略称。訳すると「モノのインターネット」となります。
ICTとの違いは、IoTが「機械などのモノがインターネットにつながる技術や状態」、
ICTは「人とインターネットをつなぐことで、人と人をつなげる技術」のイメージです。

なぜ介護事業所がICT化に取り組む必要があるのか?

総務省統計局によると、総人口が減少傾向にある中で、65歳以上の高齢者は一貫して増加しています。
2018年の高齢者人口は28.1%ですが、2040年には全人口に占める高齢者の割合が35.3%と約3人に1人が高齢者になる見込みです。

一般的に、全人口に占める高齢者の割合が7%を超えると「高齢化社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼びます。
現在の日本はすでに「超高齢社会」のフェーズに入っており、今後ますます高齢化は加速していきます。
介護を必要とする高齢者は増えているものの、総人口の減少により働き手は減っているため、介護人材が不足する事態になっています。
人材不足を解消するには、人材確保に取り組むとともに、業務の生産性を上げていくことが必要であり、そのための手段として、ICT化は有効です。

ICTでどんなことが可能になる?

介護業界がICT化することにより、業務はどのように変わるのでしょうか?
一例をあげると以下のようなことがあります。

・記録業務のICT化
スマートフォンやタブレットで入力できる記録システムを導入することで、訪問介護事業所の職員は訪問先から記録できます。
訪問の合間の空き時間も活用でき、事業所に戻って記録をする必要がなくなります。
介護施設の場合も、ケアを行いながら、食事や排せつの状況、バイタルが記録可能です。
これまで記録業務にかかっていた時間を大幅に短縮することができるでしょう。

まとめ

2021年には厚生労働省が「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」を発表し、多くの業界でもICTの活用が進みました。
国全体として、ICT化を推進していく流れにあります。
次週は介護事業所がICT化するメリット・デメリットについてお話します。