訪問介護のヘルパーの抱える悩みとは?【前半】
訪問介護のヘルパーとは、利用者様のご自宅で介護サービスの提供を行います。
訪問介護のヘルパーは、一対一で利用者の介助を行うため、やりがいを感じる方が多い一方で、
施設で介護を行うヘルパーとはまた違った悩みを抱えることがあります。
例えば、利用者様の生活に合わせた介助を行うので、個別の事象が発生することも珍しくありません。
今回は、新しく訪問介護ヘルパーとして働きはじめた方向けにお悩み解決をお伝えします。
ぜひ参考にしてみてください。
訪問介護のヘルパー(訪問介護員)の仕事内容とは?
訪問介護のヘルパーの仕事内容は、決められた時間に利用者様のご自宅を訪問し、
身体介護または生活援助の介護サービスを提供することです。
身体介護:入浴や更衣、排泄など利用者様の肌に直接触れる介助もあります。
生活支援:洗濯や掃除、調理や買い物など日常生活に欠かせない家事の支援になります。
訪問介護のヘルパーが抱える悩み
訪問介護のヘルパーが仕事を行う際に抱える悩みのうち、多いものをご紹介します。
■業務範囲外の仕事を頼まれることがある
訪問介護といっても、なんでもできるわけではありません。
できることとできないことがあり、訪問介護のヘルパーの仕事内容をよく分かっていない利用者様やそのご家族から、
業務範囲外の仕事を頼まれることもあります。
利用者様やご家族にとっては、悪気のないついでの頼みごとであっても、定められた業務以外の対応をするわけにはいきません。
なぜなら、訪問介護のヘルパーの業務範囲は介護保険制度に定められており、その範囲を超える仕事は行うことができないからです。
安請け合いしてしまうと、「前のヘルパーさんはやってくれたのに」と利用者やご家族とのトラブルが生じる恐れがあります。
もし利用者様やご家族から業務範囲外の仕事を頼まれたら、以下のいずれかの方法で対処しましょう。
<解決策>
①きっぱりとお断りする
介護保険が適用される介護サービスは、日常生活を送るうえで最低限必要となる自立支援を目的としたサービスに限定されます。
介護保険の適用外となるため、できない旨を伝えてきっぱりとお断りすることが大事です。
お断りするには、ヘルパー自身が業務範囲外のサービスについて知っておく必要があります。
訪問介護のヘルパーができないサービスの例は以下の通りです。
【訪問介護ヘルパーができないサービス】
利用者以外のご家族やペットに対するサービス
庭の手入れや草むしり
大きな家具の移動
おせち料理や恵方巻などの行事食の調理
預金の引き落とし代行、等
②サービス提供責任者に断ってもらう
業務適用外である旨をいくら説明しても、聞き入れてもらえなかったり、どうしてもとお願いされたりするケースもあります
そんなときは、サービス提供責任者に連絡して代わりに話をしてもらう方法がいいでしょう。
サービス提供責任者とは、ヘルパーが利用者様に適切なサービスを提供できるように責任を持つ担当者です。
そのため、ヘルパーが困ったときのサポートはサービス提供責任者が対応することになります。
訪問先で何らかの問題が生じた場合は、サービス提供責任者に必ず連絡してください。
■基本的に一人で業務を行うため頼れる人がいない
訪問介護のヘルパーは1人で利用者様宅を訪問してサービス提供を行うため、近くに相談相手がいないことを悩む方もいます。
高齢者相手の仕事であるがゆえに、介助中に急変が起きないとも限りません。
特に一人暮らしの利用者様宅の訪問中に急変が起きた場合、自身で判断して対処しなければならないこともあります。
万が一の事態に備えて、キーパーソンとなるご家族やかかりつけ医院の連絡先は事前に限把握しておくとパニックを起こさずに済みます。
<解決策>
①同行訪問をしてもらう
初めての訪問先はヘルパーだけでなく、相手の利用者様も緊張したり不安な気持ちでいらっしゃることが多いものです。
そのため、初めての訪問先にはサービス提供責任者が同行することが一般的です。
初回訪問ではサービスの手順を覚えることはもちろん、生い立ちや嗜好などを色々尋ねて利用者様に関する情報を入手しておきましょう。
会話を通じてヘルパーの顔を覚えてもらえば、次回以降利用者様にも安心していただけ、一人で訪問する際もスムーズに介助を行うことができます。
また、訪問介護のヘルパーにとって何よりも大事なことは、「利用者様に安心して介護サービスを受けてもらうこと」と心にとどめておきましょう。
②自分のスキルにあった仕事を担当する
自宅で介護サービスを受けられる高齢者の方には、体の大きい方や認知症を患っておられる方など、介助に特別なスキルが必要な利用者様もいらっしゃいます。
利用者の体格や要介護度の問題もありますが、利用者様との相性もあることを覚えておくといいでしょう。
技術的な問題であれば経験を重ねることで解決できる場合もありますが、相性はそうもいきません。
仕事が体力的にキツいと感じたり、精神的なストレスが辛かったりして一人で訪問するのが難しいと感じたら、
サービス提供責任者に訪問先の変更の打診を試みてください。
解決に至らない場合もあるかもしれませんが、一人で抱え込むより相談者がいるのは安心感を得られます。
訪問介護のヘルパーには、それぞれ得意な分野と苦手な分野があります。
仕事を長く続けるにも、自分のスキルが活かせる仕事を担当する事が必要であることを覚えておきましょう。